ピザの底面は油でカリッと、生地はモチフワッと。ジャンクフードのお手本のようなピザ"マルゲリータ スライス"
2017.Apr イタリア ミラノ1日目 昼食編
宿泊先のAirbnb近くのパン屋で朝食を済ませ、我々はミラノサローネのメイン会場を目指した。今年で56回目となるミラノサローネ国際家具見本市は、ミラノ市街から北西のやや離れた所にある「ロー・フィエラミラノ」という会場で行われている。最寄駅のMilano Rho Fieraまでは、地下鉄を使えばミラノの中心街からおよそ15分ほどでアクセスできる。
混雑する土日を避け金曜日に行ったにも関わらず、会場は鉄道を降りた瞬間からすさまじい人の列が出来ていた。想像していた通り、業界関係者と思しき出で立ちのオシャレなスーツを身にまとったオジさまやマダムが多く見受けられるが、中には若手クリエイターと思しき奇抜なファッションを身にまとった若者の姿もある。我々は前日にオンラインで入場券を購入していたので、QRコードを提示するだけでスムーズに会場内にエントリーすることができた。
会場はすさまじく広大で、端から端まで歩くと1.5kmほどにもなる。1日がかりで全ての作品を見ることは到底不可能なので、事前に見たい作品の目星をつけておくことが重要だ。という情報を前日に同行していた友人から教えられ、我々夫婦は驚愕した。事前の情報収集が如何に重要か思い知らされた。
私は目敏くも会場内にある飲食店をくまなくチェックしながら練り歩いていた。お昼ご飯をどこで食べるか、いや、お昼前の軽食をどこで食べるか、なんてことが頭の中を支配していた。実際、パティスリーで軽くではあるが朝食を食べてきたにも関わらず、散々歩いたせいか11時を前に既に空腹状態になってしまっていた。そんな中私は発見してしまった。ミラノに来る前からチェックしていたお店、"SPONTINI(スポンティーニ)"が会場内にあるではないか!!
"SPONTINI"とは、ミラノに8店舗ほどある有名老舗ピザ屋で、主にテイクアウトして食べるカット売りがメインのお店である。海外旅行情報を取り扱うキュレーションサイトで紹介されており、今世界中の若者を中心にブームになっているお店らしい。ミラノを訪れたら絶対に行ってみようと思っていたお店が、まさかミラノサローネの本会場内にあるとは思ってもみなかった。
何とか妻を説得して、我々は昼前に軽くピザでもかじろうという事で早速入店した。が、後にこの軽はずみなジャッジを後悔することになる。
店内は赤を基調とした内装にDINフォント等を使ったオシャレなメニューボードが印象的な、適度なカジュアルさとスタイリッシュさが漂うなかなかスタイリッシュな雰囲気である。メニューは至ってシンプルで、マルゲリータピザスライス(=1カット)を始めとする3種類のピザ+ドリンクのセット売りが基本メニューだ。ピザ以外だと、ラザニアが定番メニューのようで、いずれも6〜9€くらいで注文できる。喉も乾いていたので、マルゲリータピザとコーラのセットを注文。教科書のお手本のようなジャンキーな組み合わせである。
トレイに乗せられたピザを見ると、
とにかくデカい。
尋常じゃないくらいデカい。
長さ30cmほど、例えるならバスケットボール選手が履くシューズ並みにデカい。
そして、とにかく分厚い。
どう少なく見積もっても25mmくらいある。もはやピザトーストに近い仕上がりだと感じた。ご丁寧に切り込みが入っていて、フォークでちぎり取りやすくしてある。プラスチック製のヨボヨボのフォークでもすんなりと切れるフワフワな分厚いピザを口に運ぶ。
これがメチャクチャ美味い。
ジャンクフードのお手本のような味だ。
一番驚いたのは、
ピザの底面が揚げてあるということ。
カリカリサクサクの底面の食感と、分厚い生地のフワフワ感のコントラストが大変素晴らしい。なおかつ軽い口当たりなのでスイスイと食べられる。えげつないくらいカロリーを摂取させる食べ物だ。正直、底面を揚げてあるピザを食べたのはこれが初めてで、あるようで無かった発想に驚かされた。しかし、食べたことがない人でも容易に想像出来るように、これが抜群に美味い。これはもはやピザというより、"SPONTINI"のオリジナルメニューと言っても過言ではないかもしれない。
2人でシェアして食べたとはいえ、あんなに巨大な1カットピザを食べたにも関わらず、全く胃もたれしなかった。恐るべきピザである。ミラノから帰国してから知ったのだが、実はこの"SPONTINI"、日本にもあるらしい。それも渋谷や原宿など、東京のど真ん中で、しかも若者のブームになっているとのこと。近々、国内のお店を訪れ、本場ミラノとの違いはいかほどのものなのか、是非検証してみようと思う。
ピザの巨大さ:★★★★
ジャンクフー度:★★★★★
一度食べたらハマる度:★★★★★