驚異の弾力と旨味の焼肉!ご飯が止まらなくなる大盛りどんぶり飯"スタミナ焼肉丼"
まだ社会人数年目で二十代半ばの頃、仕事や遊びで夜中どうしようもなく腹が減る事が多々あった。太ってしまうと分かっていても食べてしまう、渋谷の夜の高カロリー飯。そんな食欲旺盛な若手時代に私の満腹中枢を満たしてくれた食べ物の一つが、"麺飯食堂なかじま"の"スタミナ焼肉丼"である。
2011年頃、渋谷ではスタミナ丼ブームに火がつき始めた時期で、センター街を筆頭に至るところにスタ丼屋がオープンした。スタミナ丼は、私にとっても字面だけ見るととても美味しそうな気になる食べ物ではあった。
"麺飯食堂なかじま"は、明治通りの渋谷警察署の向かいに位置するお店で、渋谷駅からも徒歩で行くことができる。自転車で自宅に帰る途中の道沿いにあったこのお店に何気無く入り、夜も更けて残業を終えメチャクチャ腹が減っていた私は迷わずスタミナ焼肉丼を注文した。
思い描いていたイメージ通りの、大量の油でキラッキラにコーティングされた肉野菜炒めと、茶碗3杯分くらいはあるんじゃないかという量の大盛り飯。うまくないはずがない。まず、とにかく肉が柔らかい。そこそこの厚みがある肉を使っているのに、何故にこんなにプリプリで柔らかいのか。豚ではない何か別の動物の肉なんじゃないかという程の弾力がある。食べたことのある人なら共感してくれるかもしれないが、こんなに摩訶不思議な柔らかさの肉は都内でも中々出会えないと思えるくらいの衝撃だ。醤油ベースの、恐らく様々な中華料理発想の調味料で味付けがされており、ご飯がモリモリ進む。
この料理の怖いところは、ご飯がスイスイ進んでしまう肉炒めの味付である。とても濃厚な味付けがされているため、肉一切れあたりに対し大量の米を同時に口に運ばないといけなくなる。気づいたら、どう見ても食べ切れなさそうな量の米が、肉炒めと共にいつの間にか消えているという恐怖。そして食べ終えた直後に、とんでもないカロリーを摂取してしまった罪悪感に苛まれる。
カウンター席に座ると、厨房の様子はほぼ丸見えである。中華鍋に、まるで水のようにバンバン注がれてゆく油を見て、色々と察した。「美味いものはえてして高カロリー」を見事に体現した逸品である。食べるのであれば、極限までお腹を空かせてから行ってほしい。
肉の弾力・柔らかさ:★★★★★
THE 中華料理度(主に油的な意味):★★★★
カロリー度:★★★★