タベサクの食レポブログ!

日本(と時々海外)で印象的だったお店の料理を主観全開でレポートします。うん万円する鉄板焼き料理から、メイド喫茶の魔法がかかったスイーツまで!

食レポ#010 東京でこの蕎麦屋を越える店があるなら教えて欲しい!"栃木県 一茶庵 本店"

蕎麦というジャンルの中で、31年間生きてきた今でも不動のお気に入り第1位の老舗蕎麦屋で必ず頼む"五色そば"

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食レポも10品目という節目を迎えたところで、私が食べてきた物の中でも特に思い入れの強い一品を紹介しよう。31年間生きてきて今に至るまで、自分にとっての美味い蕎麦屋ランキング第1位が、栃木県足利市にある一茶庵 本店である。

祖父母が足利市に住んでおり、帰省時には必ず一家で昼に一茶庵に行く習慣があった。幼少期から足繁く通っているので、恐らくトータルで50回は訪れているかもしれない。祖父母や両親は、必ずせいろそばさらしなを注文していたため、自分の中で蕎麦は2種頼むのがスタンダードという概念ができている。小学校高学年を迎えたある日、一茶庵には3種類の蕎麦が味わえる3色そばと、5種の蕎麦が味わえる5色そばという夢のようなメニューがあることを知った。色んなものをちょっとずつ味わいたい欲張り屋にとっては、まさに夢が具現化されたメニューだ。以後、私は5色そば以外のメニューを頼んだことはないし、何なら温かい蕎麦は1回も食べた事はない。何度食べても感動するくらい美味しい蕎麦が、一茶庵である。

 

今はどちらの器で盛り付けられているか分からないが、5色そばは格子状に区切られたせいろか、5段になった器に入って出される。それぞれに色も太さも異なる蕎麦が入っていて、視覚的にもバラエティーに富んでいて楽しい。内容は、せいろそば田舎そばさらしなの3種を基本に、けしきりというケシの実がつぶつぶと入ったものと茶そばが入っていて、季節によっても内容は変わる。

 

まず、蕎麦の温度が絶妙であること。冷たすぎず温すぎず、喉の通り抜けには最高に丁度いい塩梅だ。時々キンキンに冷えた蕎麦を出す店もあるが、それだとまず蕎麦の繊細な風味が分からなくなる上に、勢い良くすするとその冷たさで頭に響く(麺をすする事に関しては賛否あるかと思います。ごめんなさい、私はすすらないと食べられない派です!)。私は冷えすぎた蕎麦は絶対に許せない。

 

次に、麺の柔らかさと舌触り。私の体感として、一茶庵の蕎麦は基本少し柔らかめだ。しかし程よく水気を帯びていて、喉越しが滑らかで、するすると胃の中に運ぶ事ができる。

 

そして、蕎麦の命とも言えるつゆ。これが、やや甘めに調整されていて絶妙なさじ加減(後に知る事になるのだが、本格的な蕎麦屋だと辛つゆ甘つゆの2種類出されるお店もあり、蕎麦の種類によって使い分けるようである。実際同時に食べ比べると味の差は歴然で、蕎麦とつゆで自分の好きな組み合わせを発見するのが楽しい)。

 

店内も清潔で広々とし、値段もお手頃。一見一分の隙も無さそうだが、強いて弱点を一つ挙げるとすれば、しばしば臨時休業でお店に入れない事だ。私も、5回行って1回は入れない。

 

後に、一茶庵は蕎麦業界の中でも大正15年からの歴史がある最も偉大な店舗の1つであり、全国各地に暖簾分けの店を構え、足利市はその本店だったと知る。国内でも最高峰だと思われるこの一茶庵に幼少期に出会ってしまった事は、ある種不幸かもしれない。現に、私の蕎麦に対するハードルはかなり上がってしまった。今でも気になる蕎麦屋に足を踏み入れる事はあるが、未だに一茶庵を越える蕎麦屋には出会えていない(ちなみに、都内で美味しいを味わうなら、麻布十番の更科堀井を推す)。もし、一茶庵を越える蕎麦屋を知っている方がいたら、是非教えて下さい!!

 

 

自信をもってオススメする度:★★★★★

全種類の蕎麦を食べてもらいたい度:★★★★★